会津の「什の掟」とは
■お話の什
6歳より9歳までの子供達が「お話を致します。」と言って次の心得を誓い合いました。
1.年長者の言うことに背いてはなりませぬ。
2.年長者にはお辞儀をせねばなりませぬ。
3.うそを言うてはなりませぬ。
4.卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ。
5.弱い者をいじめてはなりませぬ。
6.戸外で物を食べてはなりませぬ。
7.戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ。
「ならぬことはならぬものです。」
座長(参会者のうちの最年長者)が1つ1つ読みあげると、座員はその都度、「ハイ」と頭を下げて拝聴する。「お話」がすむと、座長は厳かに座中を見渡して「何か言うことはありませんか。」と言って、昨日から今日までの間に、「お話」に違反したものの有無を問いただします。
その時もし違反したものがあると、座長はその違反者を座の中央に呼び出して、その事実の有無をたずねます。もし事実であると、どんな制裁を加えるかを相談して、適切な制裁を加えるのでした。
制裁には次のようなものがありました。
無念……ごく軽い罰で、座長からみんなに「無念をたてなさい。」と命じ られると、みんなに向かって「無念でありました。」と言ってお辞儀をして、心からわびをする。
しっぺい…これには掌にやるのと、甲にやるのとの2通りがある。軽いほうは掌に、重いほうは甲にやった。実施の時は座長がよく看視していて、手加減を許さなかった。
絶交(派切るともいう)……一番重い制裁であった。一度派切られると、父なり兄なりが付き添って行き、みんなにおわびをして、解除を求めなければならない。これは、めったには実行されなかった。
手炙り……冬火鉢の上に手をかざさせる。各人が自分の指先に鼻の脂をぬり、これを被告の手にすりつけたりした。
雪埋め……冬、雪の中に埋める。
とにかく、子供心に一番恐ろしかったのは「お話し」の後の、上記の審問でした 。
■遊びの什
「什」 は町を幾つかに、地域割りして組を作りました。このグループのことをいいます。天気が悪くない限り、お話がすむと、今度は皆戸外に出て,日没まで共に仲良 く遊びました。これが「遊びの什」です。
年長者が解散を宣言しない中は、一人で勝手に帰ってはいけません。たとえ親戚の人が遊びに来たからといっても、勝手には帰られませんでした。もし、早く帰る時は、父や兄なりが迎えにきて、許可を受けなければなりませんでした。